高級賃貸をご存じですか?
分譲マンションは、計画時点で購入者層をある程度まで絞り込んでいます。
そして、その購入者層の指向に合った建物外観、専有面積、間取り、立地条件、価格などについて相当詳しい調査を繰り返します。
このため、「ワンルームから六LDKまでどれでもござい」といったタイプのマンションは別にして、普通の分譲マンションには、ほほ同じような年収、同じような学歴、同じような職業の人々が集まってきます。
びっくりするような大金持ちもいなければ、日々の暮らしに困る人もいません。
ある意味で全員が「ご同輩」なのです。
「ああ、こんなマンションになればいいのになあ」と自分が考えれば、同じマンションには近い考えの人がかなり住んでいる可能性があります。
分譲マンションはこのような均質社会からスタートします。
同質の人たちが集まっていることを考えれば、分譲マンションは見栄を張ることも他人を羨むこともない住まいと言うこともできるでしょう。
誰だって仕事は大変です。
さらに仕事から帰ってきてもなお見栄を張らなければならないとすれば、ストレスは一方的に溜まります。
分譲マンションはそうしたストレスからは比較的解放された社会です。
ここでの暮らしの第一歩は、安心して隣人と気楽に付き合うことから始めることができるのです。
最初は互いに見知らぬ人々が集まった分譲マンションにも、そこに暮らしている間に少しずつですが、町としての個性が生まれてきます。
もともと均質な人たちが入居していますから、お互いが顔酬染みになっていく間に区分所有者全体がひとつのまとまりとして個性を持ち始め、その個性が全員の共有財産であるマンションの建物や敷地の管理を通じて現れてくるのです。
分譲マンションの個性は、建物の形状や共用施設、管理形態や管理会社によってつくられるものではありません。
「マンション」という町の個性を生み出す主役は、区分所有者の集まりである管理組合なのです。
管理組合が活発に活動している分譲マンションは、どこもただの建物を超えて「自分たちの町」と呼べるだけの存在になっています。
住み良いマンションには、必ず「良い管理」を主導している管理組合があります。
管理組合活動については、食わず嫌いの人が多いようです。
ところが、抽選や順番で仕方なく参加したにもかかわらず、管理組合活動が予想外に面白くてハマった人は全国にかなりいます。
最初は「人付き合いがイヤでマンションに入ったのに」と愚痴をこぼしていた人が、しばらく経つと一八O度違った暮らしを楽しんでいるといったことも少なくないのです。
私は八七年から八九年にかけて毎日新聞(大阪本社版)で、「マンション住みこなしファイル」というコラムを一年半連載し、そのなかで生活を楽しんでいる数多くのマンションを紹介しました。
その一部をここに紹介します。
・四五五戸の大規模マンション。
緑化委員会を発足させ、バラの花を咲かせて「ばら祭り」を毎年開催している。
有名ホテルを借りて総会を開催しているマンション。
総会終了後は立食パーティーに早変わりして楽しんでいる。
広い敷地に幼児用のプールを何個も置いて夏を楽しんでいるマンション。
「地べた会議」を毎月一回開催しているマンション。
自由参加の草取りで、ひと汗かいた後のビールやジュースのうまさがたまらないという。
居住者の号室、氏名、家族名、電話番号を記載した名簿を毎年全戸に配布しているマンション。
年とともに匿名希望者は急減している。
防犯活動を楽しんでいるマンション。
子供から大人まで一O本の拍子木を打ち鳴らし、マンション内だけでなく近隣まで巡回している。
月刊誌を発行しているマンション。
管理組合や自治会からのお知らせ、スポーツ大会の結果などだけでなく、誌面を通して管理費や修繕費の必要性などを常に訴えていた。
管理費を五五パーセント値上げする議案もスムーズに可決された。
・周辺の町会、商店街などと良い関係を保つため、地域の役員は必ず引き受けるというマンション。
クリスマスパーティ・狩桑会所で楽しんでいるマンション。
・餅つき大会になると声をかけなくても力自慢が集まるマンション。
年末の夜警がそのまま管理組合や自治会の五夜連続忘支去になるマンション。
毎年ペットの誕生日の写真を貼り出し、どこの犬が悪さをしているかがすぐ分かるようにしているマンション。
真夏の夜に大盆踊り大会を行い、プロの河内音頭で踊りまくっているマンション。
マンション関係の雑誌や図書を揃えているマンション。
管理員や清掃員に毎年、盆と暮れにちょっとした品物を送っているマンション。
もらった人は会社で大自慢だったという。
老人の知恵と少しだけの協力を求めているマンション。
子供の目線で必ず物事をチェックしようとするマンション。
年末の大掃除さえ楽しんでしまう、ユニークなマンション。
毎年一月十五日にしめ縄などを持ち寄って焚き火をするマンション。
このような楽しい生活を実現するためには、管理組合は具体的に何をすれば良いのでしょうか。
管理組合が主役となるべき管理業務の範囲を、注意点とともに以下に列記します。
住民の代弁者私たち素人は、何も知らない管理組合や住民があれこれ言うよりも、プロである管理会社に任せた方が良い維持管理が行われるだろうと思っています。
管理業務の一切を管理会社に委託する全面委託管理について何の疑問も持ちません。
しかし、その管理会社と管理組合の管理委託契約を実際に決定したのは誰でしょうか。
デベロッパーです。
ですから、管理会社はデベロッパーが不利になるような管理業務は行いません。
デベロツパーが「売り逃げ」同然で蒔いていった等価交換方式の開発型や権利付き型などのトラブルの種について管理組合に自主的に教えることもありません。
仮に附合契約や欠陥建物であっても、管理会社は管理組合や居住者の利益を代弁してはくれないのです。
管理組合は管理会社の行わない管理業務を見つけ、これを引き受ける主役にならなければなりません。
全面委託管理(総合管理)の場合には常に不安が付きまといます。
大規模修繕工事の主役多くの管理会社は建物や設備の劣化、積立金の状況などをきちんと把握しています。
こうした面での管理会社のアドバイスは大変役に立つのですが、最近、弊害も目につき始めました。
多くの管理会社が、管理業務だけでなく大規模修繕工事なども請け負うようになってきたからです。
このような業務を行うため管理会社の規模は大きくなり従業員や関係会社も多くなっています。
こうなると会社を維持するためにか仕事。
をつくらなければならなくなります。
昔は、建物がかなり劣化してから管理組合の要請を受けて大規模修繕工事に着手していましたが、最近は事情が変わっています。
建物や設備の劣化には関係なく、AマンションはO年、Bマンションは何年というように、管理会社の経営の都合で大規模修繕工事が実施されているのです。
「皆さんのマンションはまだ築一O年ですが、早く修繕した方が建物の傷みも少ないし、資産価値も落ちませんよ」と言葉巧みに修繕計画を持ちかけるところも増えているようです。
この提案に応じれば、後はもう管理会社のぺースで進んでしまいます。
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